(続き。)
日の入りを撮っていたのだから当たり前と言えば当たり前だが、
道中、すっかり日が沈んで辺りは真っ暗になった。
いくらクルマでも、琵琶湖のてっぺんに位置する『つづらお』を
目指して暗い田舎道を突き進むのは、心細いものであった。
一昨年に引き続いて2回目の宿泊利用となるつづらおは
リーズナブルな国民宿舎だが、綺麗で、私の好きな露天風呂があり、
琵琶湖と竹生島が一望できるなど眺望も良い。
また、ロビーには無料のマッサージチェアやウォーターサーバーが
置かれ、痒い所にもしっかり手が届く。
旅館のような手厚いサービスはないが、
むしろこのように付かず離れず適度に放っておいてもらった方が
こちらも気を遣わなくて済み、有難いものだ。
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ところで、夕食時のレストランではちょっと面倒なことがあった。
料理を撮ろうとカメラを持って行ったところ、隣の席のジイさんから
二人で写してあげましょうと親切なお申し出をいただいたのだ。
こういう時、気持ちは有難いが、困る。
いや、ちゃんと使えるのならいいのだが、
一眼レフなので適当にシャッターを押すだけでは撮れないし、
自分も不慣れな為、短時間でサッと設定を変えられない。
戸惑ったが、さらに強く申し出られた為、
無下に断るのも可愛げがないかと思い、お願いすることにした。
…が、案の定、ジイさん、一眼レフが使えない。
「あれ、おかしいなぁ、画面が映らない…?!」
一度カメラを返してもらい、ファインダーを覗かなくても
撮れるよう、ライブビュー撮影モードに設定。
しかし、今度は、
「あれ、シャッターが下りない…?!」
再び返してもらい、全自動モードに設定し直したが、
それでもピントが合わなければシャッターが下りない仕様だ。
今思えばオートフォーカスにすれば良かったのだが、
私もそこまで気が回らなかった。
カメラを構えては「あれ?あれ?」を繰り返すジイさん、、、。
だんだんビミョーな空気になってきたので、
ヘンテコな写真でも何でもいいから下りてくれよっ!と
祈るような気持ちになった。
たぶん、ジイさんは私の10倍くらい
そのような気持ちになっていただろう。
結局、我々の思いは届かず、何度やっても駄目なので、
「あのぅ…折角ですけれど、私も設定がよく分からないので、
もういいです、ありがとうございました…」
と告げることになるのだった。
ジイさんには悪いが、かと言って、自分から頼んだわけでもないし、
こういう時ってほんと困るよな、、、(-。-) ボソッ
ちなみに、この後、照れ隠しからか食事中ずっとしきりに
私達に話しかけてくるので、自分達のペースで酒を呑みながら
旅の疲れを癒したい私達には、申し訳ないけれど大変迷惑であった。。。
(続く。)
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