大学の頃、学校の近くに、学生の間で言わずと知れた
講義ノート屋があった。
真面目な学生のとったノートのコピーを1〜2万円で買い、
そこに試験の過去問をつけて1冊700〜800円で売るという
アコギな商売をしている店だ。
もちろん、大学には公認されていなかったはずだが、
試験前には大変繁盛していた。
私の周りには、講義に一度も出ず、教科書すら購入せず、
ただ試験前に講義ノートを買ってチョロっと勉強するだけで
単位を取得する者も少なからずいた。
そんなことで単位が取得できる試験もどうかと思うが、
文系で、大教室の授業が大半を占めるマンモス学部なので、
仕方のないことだったのかもしれない。
もちろん、教授もただ手をこまねいていたわけではない。
中には、出席を重視するなど、試験だけによらない評価をする
科目もあった。
抜き打ちで授業中に出席カードが配られると、
携帯メールで友人同士「今日出席採ってるで!」などと
連絡しあったところで、時既に遅し。
遅れて教室に入ってきてもカードは貰えない。
また、配布される出席カードには蛍光ペンで印まで
付けられていて、別の授業で受け取ったカードを
提出すると一発でばれる仕組みになっていた。
ま、教室でただ寝てるだけでもカードさえ出せば
出席扱いなので、何だかなぁ〜という感じはするが。
さて、講義ノートの話に戻るが、私も何度か利用したことがある。
授業には割と出ていたし、自分でノートも取っていたので、
他人のノートに頼る必要はなかったのだが、
付録で付いている過去問と全く同じ問題が
試験に出ることも多かったからだ。
過去問だけ300円で売ってくれればいいのになんて
思ったものだが、そのようなシステムはなく、
アヤシイ商売にまんまとはまって結構お金を使う羽目になった。
そんな講義ノート屋だが、最近廃れてきていると新聞で読んだ
(asahi.com 「講義ノート屋」氷河期 京阪神の大学で「閉店」続出
参照)。
←閉鎖されました
私が通っていた大学の近くの店はまだ健在のようだが、
関西では潰れた所も多いんだとか。
理由は、出席点重視の科目が多くなったほか、
就職対策で真面目に勉強する学生が増えた為らしい。
…ま、本来あるべき姿はそうやわなぁ〜と感じつつも、
自らの過ぎ去りし大学時代に、懐かしく思いを馳せる私であった。
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